特捜最前線(おじさんもいじめられっ子だったんだよ)
「特捜最前線」は「特撮最前線」と言われたほど、特撮番組出演経験のある俳優さんたちが揃っていた番組でした。
「マイティジャック」の二谷英明。
「仮面ライダー」の藤岡弘、。
「仮面ラリダーストロンガー」の荒木しげる。
「秘密戦隊ゴレンジャー」の誠直也。
「宇宙鉄人キョーダイン」の夏夕介。
この中で、藤岡さん演じる刑事(以後、藤岡さんと記します)が、自殺しようとする少年を思いとどまらせるため説得するシーンがあるエピソードがありました(記憶曖昧)。
多分その少年はいじめを苦にして自殺しようとしていたんじゃないかと思います。
説得する藤岡さんに対しその少年は
「強い人には弱い者の気持ちなんか分からない」
と言いますが、藤岡さんは、
「おじさんも同じだよ。いつもいじめられていた」
と自身の子ども時代を明かし、少年の共感を得て、少年は藤岡さんの説得に応じ、自殺を思いとどまる――たしか私の記憶ではそんな流れだったのではないかと思います。
それを見ていた私は、
「現実の藤岡さんは『仮面ライダー』演じていたくらいだから強かったろうし、この劇中の刑事も子どものころ本当はいじめられっ子じゃなかったのかもしれない。
でも、藤岡さんは、少年を救うためにああ言ったのかもしれないな」
と思いました。
もし、藤岡さんが実は子ども時代いじめっ子側の子だったとしても、少年を救うためには「いじめられっ子だった」と言ったでしょう。
たとえうそ偽りを言ったとしても、それが命を救うためだったら、それは美しい行いと言えるのではないかと思います。
また、本当にいじめられっ子だったとしたら、自身のそんなみじめな過去を明かしてでも少年を救おうという、やはり美しい行いだったと言えるのではないかと思いました。