ジャイアントロボ(やっつけで腕時計を作ったらほめられた)
同じ横山光輝さんの原作ですが、鉄人28号との違いは大作少年しかロボを操縦できない点です。
なぜなら音声がリモコンの腕時計に記録されるから。
そのためか、大作と同じ声を出すアンドロイドに腕時計を奪われてピンチになるというエピソードがあったと記憶しています。
他にも、目が4つある怪人が出てきたり、障子を破ってたくさんの腕が出てきたりといった描写があってこわかった覚えがありますが、あれは本当にジャイアントロボのものだったのか他作品のものだったのか確信がありません。
(全話を動画配信とかで見返せば判明するのでしょうがやっていません)
さて、小学1年生の時、学校の図工の授業で身の回りの物を作ろうという学習がありました。
バッグやらネックレスやら作るのですが、私は最初、腰に巻くベルトを作ろうとしていました。
ところが、なかなかうまく作れません。
残り時間はあとわずか。
私はもうヤケクソで、牛乳瓶のフタを2つ重ね、それにベルトをつけた腕時計を作りました。
フタを2つ重ねたのは、ジャイアントロボ操縦用腕時計のようにパカッと開く構造にしたからです。
今風にいえば、コナンくんの腕時計型麻酔銃みたいなものですね。
開けた下はマイクになっていると見えるように縦横の線をたくさんマジックで書きました。
(後日知りましたが、フタを空けた下はメカになっていて、マイクではなかったようでした)
それをおそるおそる先生のところに持って行ったところ――。
「こんなの作ってきたの!」
大きな声で言われました。
「数分でテキトーに作ったから怒られる」
私は覚悟しました。
そうしたら、続く言葉が、
「よく工夫したねーー」
なんとほめられたのです。
どうも、腕時計みたいな小物を、実際に腕にはめられるように作って持って行ったのが良かったらしい。
でも、
「ここはちゃんととめておいてあげるね」
先生は、私がせっかく開くようにしておいた腕時計のフタを、パチンとホチキスでとめてしまいました。
もちろん、先生がジャイアントロボの操縦用腕時計なんか知るはずもありませんからね。
普通の腕時計を作ってきたと思ったのです。
私は、
「それは開くようになっているのが正しいんです」
とも言えず、でも、
「やっつけで作ったけど、ほめられたからまあいいか」
と思ったのでした。
周りには、材料の紙をたくさん使って大きなカバンなどを作っていた子もいました。
世の中、時間をかけた仕事や大物を作る仕事が必ずしも評価されるとは限らないのだということを、その時のジャイアントロボ操縦用腕時計の工作で私は知ったのでした。