ゴーゴー悟空(「ひみつ戦隊ゴレンジャーごっこ」の遺伝子を受け継ぐ作品?)
中1の1976(昭和51)年9月号から『テレビマガジン』を毎月買い始めた私でしたが、実はその前にも2回テレビマガジン(以下、テレマガ)を買っています。
1回目は、前年の小6だった1975(昭和50)年の夏の増刊号。
目当ては「グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突」(石川賢)の漫画でした。
2回目は、前月の1976(昭和51)年の夏の増刊号。
目当てはやはり「グレンダイザー・ゲッターロボG・グレートマジンガー 決戦!大海獣」(桜多吾作)の漫画でした。
さて、この1976年夏の増刊号に成井紀郎先生の「宇宙鉄人キョーダイン」が載っていました。
キョーダインたちの弟であるケンジの元に、ダダ星から母がやってくるというシリアスなストーリーで、この母は実際はダダ星人のスパイなのですが、ケンジへの愛に目覚め、最後は命を落とす――といったような内容だったのではなかったかと記憶しています。
「いいお話だなあ」
と思って何回も読みました。
この成井先生のキョーダインを読めるという期待もあってテレマガの購読を始めた私でしたが、9月号のキョーダインはすっかりギャグ路線になっていて、私は、
「なんじゃこりゃ?」
と、松田優作さんばりに驚愕しましたよ。
そして直ぐに思い出したのが、成井先生の師匠である石森先生の「ひみつ戦隊ゴレンジャーごっこ」でした。
『少年サンデー』に連載されていた石森先生の「秘密戦隊ゴレンジャー」も途中から突然ギャグ路線の「ひみつ戦隊ゴレンジャーごっこ」に変わり驚愕したものでしたが、私は成井先生のキョーダインでまたまた驚愕させられたわけです。
「いくらなんでもあまりにストレートに師匠の真似し過ぎだなあ」
と、ちょっとがっかりしました。
増刊号のシリアスなキョーダインが良かっただけに尚更そう思いましたよ。
編集部もよく許したなと思います。
『テレビマガジン』というくらいですから、テレビ番組のコミカライズが雑誌のコンセプトなはず。
キョーダインはギャグ番組ではなかったのですから。
今にして思えば、それならばいっそのことタイトルまで師匠にならって「うちゅう鉄人キョーダインごっこ」にするぐらいしても良かったのでは。
当時の私は、タイトルに「~ごっこ」と付いていないか、一応確認しましたからね。
このギャグキョーダインの路線を受け継いでテレマガで1977(昭和52)年5月号から連載開始されたのが「ゴーゴー悟空」でした。
いろんな作品のいろんなキャラクターが登場してきて、今だったら著作権的にマズイだろうと思わせる内容ですが、昭和の当時はそういうのゆるかったですよね。
キョーダインのギャグマンガに戸惑った私でしたが、「ゴーゴー悟空」は最初からギャグマンガと銘打たれていたので、私もそういうものだと思って読んでいました。
いろいろな作品のキャラクターをうまくデフォルメして描いていて、絵のうまいマンガ家さんだと成井先生のことを思っていました。
もうちょっと続いてもいいのに思っていたのですが、1年たたずに連載終わったんじゃなかったっけかなあ?
登場していた観音さまは、「宇宙鉄人キョーダイン」に登場していた白川少尉と同じ顔をしていたので、悟空が観音様を「堀江美都子さん」と呼ぶシーンがありましたね。