人造人間ゼロダイバー(どうしてどの予告イラストもいちいち内部図解がしてあるのだろうと思いました) ゼロダイバーは、キカイダーの仮タイトルです。 ゼロダイバーだなんて、視聴率ゼロを思い起こさせ縁起が悪い――みたいな理由でNGになり、石森先生もやっつけヤケクソで「機械だぁー」と名付けたみたいな記述を見たことがあります。 さて、私は当時読んでいた『小学三年生』でゼロダイバーの予告ページを見、 「今度から、こういう新しいのが始まるのか」 と思うと同時に、不思議に感じることがありました。 どのゼロダイバ
人造人間ゼロダイバー(どうしてどの予告イラストもいちいち内部図解がしてあるのだろうと思いました)
ゼロダイバーは、キカイダーの仮タイトルです。
ゼロダイバーだなんて、視聴率ゼロを思い起こさせ縁起が悪い――みたいな理由でNGになり、石森先生もやっつけヤケクソで「機械だぁー」と名付けたみたいな記述を見たことがあります。
さて、私は当時読んでいた『小学三年生』でゼロダイバーの予告ページを見、
「今度から、こういう新しいのが始まるのか」
と思うと同時に、不思議に感じることがありました。
どのゼロダイバーのイラストも、体の左半分が内部図解されていたからです。
「ゼロダイバーがロボットだということを分からせるために、体の中の様子を描いた絵(当時、イラストという言葉を知りませんでした)なのだろう。
でもだからといって、どのポーズの絵も体の半分が図解されているけど、いちいち全部の絵を体半分図解しなくても、1枚だけ体半分図解の絵を載せてくれれば、もうゼロダイバーがロボットだということは分かるのに」
当時、怪獣図鑑というのがあって、それには怪獣の体内の臓器などが図解されたイラストが載っていました。
ゼロダイバーのイラストも、そういうものだろうと思っていたのです。
だから、いざ、テレビや漫画で「人造人間キカイダー」が始まった時は驚きました。
あの絵は、別にゼロダイバーの内部図解ではなく、ゼロダイバーが体内の機械が見える姿であることを表していたということを、キカイダーは常時内部図解状態のヒーローであることを、作品が開始されて初めて分かったからです。
体が左右非対称、しかも内部の機械が見えているなんて、それまで全く見たことのない姿で衝撃的でした。
キカイダーに影響を受けたと思われるデザインのヒーローに、ジャンボーグ9や超人機メタルダーがありますが、この2つはなぜ左右非対称デザインなのかの理由付けがありません。
キカイダーにはちゃんと理由があって、善と悪の葛藤に苦しむということをあの左右非対称のデザインで体現しているのです。
ただ、名前はゼロダイバーの方がかっこいいと思いましたね。
「機械だー」だなんて、なんかヘンと感じました(直ぐに慣れましたけど……)。
ですが、このキカイダーをきっかけに、日本語を外国語っぽくしたカタカナのネーミングが石森作品に続出します。
イナズマン、カイゾーグ、アクマイザー3、ゴレンジャー(5人のレンジャ)、アスガード7(明日をガードする7人)、ビビューン、ズシーン、バシャーン、キョーダイン等々……。
だから、名前はキカイダーで良かったんですよね。