人造人間キカイダー(性能はハカイダーやドンモに劣る?)
石森版キカイダーの萬画で、ミツコに化けたダークの女性とキカイダーが出会うシーンがあります。
この時、キカイダーは彼女がミツコではないことを見破りますが、それは彼女の
「おかえりなさい、キカイダー」
という言葉によってでした。
本物のミツコだったら、
「おかえりなさい、ジロー」
というはずだからです。
藤子・F・不二雄先生の漫画「モジャ公」で、登場するロボット ドンモが教祖の正体を見破るシーンがありますが、この時のドンモは「声紋」によって一瞬にして正体を見破りました。
コミカルで間抜けなロボットに描かれていますが、この点、ドンモの方がキカイダーより優秀に思えます。
ドンモだったら、ニセモノがどのような言葉遣いをしようと声紋により見破ったことでしょう。
でも、キカイダーは、もしニセモノが言葉遣いをしくじらなかったら、正体を見破れなかったかもしれません。
また、石森版キカイダーでは、ハカイダーがビジンダーミエコ(石森版では、ビジンダー人間体の名前はマリではなくミエコなのです)をロボットであると見破るシーンがあります。
「人間と同じ体温を発してはいるが、かすかな機械音が聞こえる」
ことによって初対面で直ぐに。
ところがそれにさかのぼるエピソードになりますが、キカイダージローや01イチローはリエコがロボットであることに気づくことができませんでした。
彼らはリエコの体からの「かすかな機械音」に気づけなかったのです。
ハカイダーのセンサー機能の方が優秀ですよね。
まあハカイダーは、ジローやイチローより後に光明寺博士によって作られていますから、後から作られた方が優秀なのは仕方ないかもしれません(あるいは、リエコはミエコのような「かすかな機械音」すら出さないほど精巧なロボットだったのかもしれませんが)。
石森版キカイダーのラストで、キカイダーは今まで決して使うことのなかった破壊光線(ブラスター)を放ちます。
私が思うに、最初から破壊光線を使っていれば、どんな敵も一撃必殺でしたから、これまでの数々の悲劇も防げたのでしょうけれど、破壊光線の使用を良心回路(ジェミニィ)が抑制していたので、こちらもまた仕方ありませんでした。
それがハカイダーによって装着された服従回路(イェッサー)が良心回路を抑制することにより、破壊光線使用可能になったのでしたからね。
二重三重に抑制がかけられたキカイダーは気の毒ですね。