侍ジャイアンツ(特訓が短いのがいい)
「『巨人の星』より『侍ジャイアンツ』の方がいい。特訓が短くて、直ぐに次の魔球が出てくるから」
「侍ジャイアンツ」のアニメを一緒に見ていた時の2歳下の弟の言葉でした。
私もそれは同じことを思いました。
「1球投げるのに30分」
と揶揄されていたほど、「巨人の星」の展開はゆっくりしたものでしたから。
原作漫画の進行との兼ね合いがアニメにはあったからです。
最近のアニメでは「ドラゴンボール」や「ワンピース」でも、原作漫画との兼ね合いで、やはり展開がゆっくりだったり、オリジナルエピソードが差し挟まれたりといったことがありますよね。
当時の私は、主役の番場蛮の真似をして、ゴムボールを握りつぶしてから投げてみたり、体をぐるぐる回転させながらボールを投げてみたり、片足でしゃがんでからジャンプしてボールを投げてみたり、いろいろやりましたが、もちろんどれも魔球にはなりませんでした。
原作漫画では、番場蛮は死んでしまいます。
漫画「タイガーマスク」でも、主役の伊達直人が死んでしまいますが、梶原一騎氏原作の漫画では、このように主人公がラストに死んでしまうものが少なくありません(「あしたのジョー」のラストの矢吹丈も多分死んでいます)。
でも、アニメ版の番場蛮は死にませんでした。
ラストで、これまでの全ての魔球を合体させた魔球を投げて勝利します。
こっちの方が、少年マンガ的には好きでしたね。
ちなみに、後年、漫画を担当した井上コオ氏による2ページの短編後日談が描かれます。
番場蛮の甥(蛮の妹ユキの息子)が突然巨人軍に登場し、魔球を連投して勝利するというものでした。
これは多分、漫画版の後日談なので、番場蛮は故人のはずです。