鉄人28号(リモコンのボタンは3つ!)
正太郎君が鉄人を操縦するのに使うリモコンのデザインはシンプルです。
スティック2本にボタン3つ。
これでロボットを操作するのですから。
まあ、当時のアニメであまり複雑な動きの描写はできませんから、そんなものだったのでしょう。
2本のスティック型パーツですが、あれは右が操作レバーで左はアンテナだったようです。
正太郎君が1本のスティックを倒すと、もう1本のスティックからビビッと電波が放たれる描写がありましたから。
現実の電波はもちろん目に見えませんが、劇中では「アニメの表現として」電波が可視化されていました。
ただ、これは白黒アニメ版の鉄人28号での話であって、原作マンガではスティック2本ともアンテナで、操縦は3つのボタン(ダイヤル)でするようです(未確認)。
正太郎君はリモコンの両側の取っ手を両手で持って、リモコン電波を飛ばします。
さて、私はこのリモコンのボタンの数で幼稚園の頃、友達と言い合いになったことがあります。
「リモコンのボタンは3つだ」
と言う私に対し、周りの子はみんな
「2つだ」
「2つだ」
と言うのでした。
なんで、リモコンのボタンの数の話になったかというと、たぶん粘土か何かで好きな物を作る活動があり、友達がボタン2つのリモコンを使ったんじゃなかったかと思います。
それを見た私が、
「ボタンは3つだよ」
と指摘すると、作った本人や周りの子が皆
「2つだ」
「2つだ」
と言い張るのでした。
あまりに皆がそう言うものですから、その日の夕方私は「鉄人28号」のアニメをいつも以上に集中して見ました。
当時、毎夕「鉄人28号」が再放送されていたからです。
ですが、もちろんボタンの数は3つでした。
翌日私は友達に、
「やっぱりボタンは3つだったじゃない」
と言ったのですが、やはり周りの子は
「2つだ」
「2つだ」
もう言っても無駄だと、それ以降私はボタンの数のことを言うのはやめました。
当たり前のことが当たり前として通用しない――そういう現実があるということを私は幼稚園時代に鉄人28号のリモコンのボタンの数を通して知ったのでした。